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あめりの小部屋

終末期実習

「もう一度目をあけてほしい」…この言葉はターミナル実習で受け持った患者様の家族の言葉です。
意識レベルは低下し、会話はもちろんできず、目も閉じたまま。

私もこのような患者様を受け持つのは初めてで、どういう援助をしたらいいか全く分からずに毎日毎日悩んだ。
悩んだけど自分で答えが出せなくて、実習の指導教員の先生に相談してみた。
自分が今どうしたらいいかわからない事、毎日面会にみえるご家族に何て声を掛けたらいいかわからない…延々と話を聞いてもらった。
途中から涙が止まらなくて自分でも何を話しているのか分からないような状態で…。
それでも先生は話を聞いてくれた。
そして、「今のご家族が一番望んでいることは何だろうね?」
「もう一度だけでもいいから目をあけてほしいって言ってたよね。それのお手伝いが出来ればいいんじゃないかな?」

その言葉を頼りに、ご家族の方と一緒に話しかけたり、昔の思い出話を患者様の前で話してもらったり、足浴をしたり、マッサージをしたり、患者様の好きだった歌を聞いてもらったり…色々な援助をしました。

すると、日に日に少しずつ反応が見られるようになっていったのです。
手を握り返してくるようになったり、足を動かすようになったり、まるで話しはじめるかのように口をあけるようになったり…。
最終的に目をあけることはなく最期を迎えたけれども、ご家族の方はとても喜んでくださいました。

この実習で私が学んだ事は、ターミナルにおいて患者様だけでなくて家族への援助がいかに大切だという事。
そしてたとえ、返事がなくても反応がなくても声をかけるという事、非言語的なコミュニケーションを大切にするという事。
最後まで諦めない事、万に一つでも希望を捨てない事。

私にこんなにも沢山の事を教えてくださった患者様とご家族の皆様に感謝します。
一生忘れません・・・・・。


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